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武術が大好きな理由の一つ

~站樁あるいは、立禅について~
光の三原色
独楽

昨日、生徒さんより“八卦掌は站樁をやらないのですか?”という質問を受けた。八卦掌も流派や指導者によって教え方が異なる。私の知っている範囲では、梁派には站樁はなく、尹派にはある。尹福の場合、董海川から八卦掌を学ぶ前に、站樁を基本功とする他の武術を修得していた。そのため尹派は站樁も練る。

私は站樁を習わなかったので、一時期自分で模索しながら站樁を練った。私の八卦掌の老師も自身は站樁をやったことがありその効用を知っていたので、私が站樁の自主練習を始める時はアドバイスを頂いた。そして、今は站樁が非常に重要なものだと理解している。身体は動いていなくても全身を協調して用いて重心を移動させることはできる。それを技に応用させる。そのため、武術の動作は精妙になるに従い、外見上実際に動いているか動いていないかの差は明確でなくなる。

以下、頂いた質問ついでに站樁について以下のように説明を加えた。
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光の三原色をご存知でしょうか。そのうちの二色の混ぜ具合で全ての色を生み出せます。ですが三色を全て混ぜると透明な光になります。

それと、おもちゃの独楽(こま)ですが、最も加速して安定的に回っている時には停止して見えます。

なんのお話かと言いますと、今日ご質問いただいた站樁のことです。全方向(上下前後左右)に同時に動くと停止しますが、それが站樁です。全方向への動作を含むと動作が無くなるということです。つまり、站樁というのは眼に見えないだけで完全な動作なんです。次の瞬間にどの方向にも動くことができる状態を目指します。そして、次の瞬間に動くことのできる筋肉は今休んでいる筋肉だけなんです。これが身体で感じられるようになると站樁が楽しくなります。稽古のご参考にしてください。

地球上には稀にこういうことが起こるんですね。全てを含むと無くなる、あるいは見えないものには全てが含まれていることが。それを身体で体験できるのも武術の素晴らしい点です。動作が速い、遅い、或いは、動作が大きい、小さい。力が大きい、小さい、そういう通常比例的に増減する現象が覆るときがあります。
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宇宙は大爆発と共に誕生し今も拡大し続けているという理論があります。時間も延びたり縮んだりすると聞きます。空間と時間(時空)が同時に誕生したのなら、過去から未来までの全ての時空の存在は、時間軸上のゼロ、つまり限りなく短い今という刹那に含まれている可能性があります。色即是空、空即是色ですね。なんと自由な空間でしょう。

武術をやっていると、一見停滞して見えるもの、一見何もないようなことに、全ての答えが隠されているのではないかとつい考えてしまいます。この究極的な謎解きというか、パラダイムシフトがとても知的で楽しいのです。

福岡八卦掌教室 指導員/大和晋(やまと しん)
HP http://baguazhang.web.fc2.com/
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指月〜その4〜

Feeeeeel!.jpg

Don't think. Feel.

この言葉は、最も短く、最も多くの意味を持つ言葉だろう。お釈迦様の色即是空、空即是色に匹敵する。最高にロックでもある。

It is like a finger pointing away to the moon. Don't consentrate on the finger, or you will miss all that heavenly glory.

考えるな、感じろ。と言われれば、一見すると、人間としての崇高さ(理性)を捨てた野蛮な行動かのようである。

考えるとは、三段論法よろしく、意識に時間的な段階が加わる。それで過去と未来の全ての問題が解決すればよい。しかし、実際それで人間は太古の昔から根本的な何かを解決した試しがあっただろうか?

仮に、今、否、過去と未来を意識的に引きずらない刹那にこそ、過去と未来が同時に同居するとしたら。 過去と未来の謎を解けるのは、今という瞬間にしかないはずだ。

だから、太古の昔から、天才は繰り返し同じことを言うのだ。
Don't think. Feel. と。

参照:過去ブログ
指月  ~その1~
http://dahejin.blog68.fc2.com/blog-entry-30.html
指月  ~その2~
http://dahejin.blog68.fc2.com/blog-entry-31.html
指月  ~その3~
http://dahejin.blog68.fc2.com/blog-entry-33.html

福岡八卦掌教室 指導員/大和晋(やまと しん)
HP http://baguazhang.web.fc2.com/

礼儀の実利

チンピラ

子供に武道を学ばせる理由を訊ねると、「体を鍛えるだけでなく礼儀が身につくから」といわれるのをよく耳にします。7歳から空手、柔道、中国武術を齧ったり学んだりしてきた自分で言うのもなんですが、そこで学んでいた人たちがきちんと礼儀や道徳心を身につけられたかというと甚だ疑問でした、ずっと。

つい先月、日本選手が大活躍したリオ・オリンピック。ブラジルの方々の柔道熱が伝わってきました。現地レポーターが、なぜ柔道が好きなのですか?という問いに対して、ブラジルの方は、護身の技術を学べる点と、やはり、“礼儀が身につく”と答えていました。「日本人はとても礼儀正しいが、その文化を柔道を通じて学ぶことができる」というのです。日本にだけいると、日本人のマナーは当たり前のもので特筆すべきことではないですが、海外に出ると「日本人は礼儀正しいので好ましい」とよく評価を受けます。意外かもしれませんが、中国でも数多くの現地ドライバーにそう言われました。

それにしても、やっぱり「柔道で礼儀が身につくか?」と疑問に思いました。

一方で、「待てよ」とも思いました。
相手を尊び、それを話し方や作法で表していれば、日頃から不用意に敵を作ることを防ぐことができます。また、仮に真剣勝負となり勝敗がついても、相手を罵ったり侮辱したりしないこと、あるいは、敗れた相手の気持ちを汲まず大喜びしないこと、こうした礼儀は、命がけの闘いであるほど、実利として重要になります。

さらに、武術から離れ実生活でも誠実な人柄であり信頼してくれる方が多ければ、何かあった時にも事態を穏便に収拾することができます。

ブラジルのように治安が悪く、本当に襲われる危険性のあるところでは、柔道で学ぶ礼儀作法が実際に役立つのでしょう。そして、武術が命のやり取りである感覚が薄れ、スポーツ化していくと、礼儀作法の本当の意味も失われていくのかもしれないと思いました。

福岡八卦掌教室 指導員/大和晋(やまと しん)
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見えない力

昨日の稽古で行った内容の一部です。定歩(足を定位置から動かさない状態での重心移動の説明です。)
誰でも試すことができます。やり方を書きますので、よかったら次の通りにやってみてください。

1回目:
正面を向いて、脚を平行に肩幅よりも少し広めに開いて立ちます。両腕を前方へ地面と平行になる高さまで上げ、できるだけ前屈みにならないよう背筋を伸ばし、膝の角度が90°になるまでゆっくり腰を落とします。いわゆる空気イスですね。(※膝への負担が大きいので、膝の悪い方は止めておきましょう。)

その姿勢を作ったら、いったん元の楽な状態に戻します。

2回目:
次に、前方に伸ばした両手の辺りにコンクリートの厚い壁があり、そこに体を支えるのに十分な丈夫な金属の取っ手がついているとイメージします。その取っ手にしっかり掴まって、その取っ手に全体重をあずけながら、先ほどと同様にゆっくり腰を下ろします。

01 02

どうでしょう?2回目の方が、相当に楽ではないですか?

1回目の姿勢も、2回目の姿勢も、完成形の見た目はほとんど同じです。ですが、明らかに2回目の方が楽だったと思います。これは、体の内部で全身の筋肉が何を目的に働こうとしているか、その協調性の働きが異なります。

複数の人数で操作する大きなヨットが海上に2艘あり、同じヨットですが、一方には優秀なベテランクルーが乗っていて、もう一方には素人のクルーが乗っています。航海にでるとその2艘では動き方が全く違うでしょう。体の働きもこれと同じと言えば分かりやすいでしょうか。

このように、ただ姿勢をそっくりに真似ても、全身のそれぞれの筋肉が強調して何をしようとしているのか、その全体像の指令を体に与えている状態と、そうでない状態ではアウトプットは全く異なります。これが意識の訓練が運動に与える作用であり、いわば“見えない力”です。

稽古でひとつの姿勢や架式を習い、関節の角度とか外見をどれだけ正確にできるようになっても、実践で使えるようにするためには別の訓練が必要といえます。

ちょっと難しく書きましたが、中国武術の基本中の基本、ただの“虚実分明”です。傍目には見えないから、稽古してない人が多いんです。

福岡八卦掌教室 指導員/大和晋(やまと しん)
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八卦掌表演(梁式老八掌)


 今年の三月に福岡県糸島市で開催された陳泮嶺中國伝統武術国際交流大会での表演です。第三代伝人の陳暁怡先生が先日動画記録を送ってくださいました。
 老八掌の第一掌から第四掌。
 ん~やっぱり、分からない人には武術には見えないでしょうね。私の所に学びにいらっしゃる方は、こうした動作における力と体の使い方を体験されると眼を丸くして驚き、そして喜んでくださいます。
 虚実分明、重心移動、外三合、身法、これらを意識して制御します。理論を理解して動けば、初めての人でも技をかけることができます。未体験の出来事ですから、そりゃできれば驚きですし、楽しいですよね。
 虚実分明、重心移動、外三合、身法などは意識しなければ見ることができません。“見えない力”なんていうと格好いいですが、家、高層ビル、鉄塔、橋など動かずに立っているものにも力学の理論とおりに見えない力が働き続けています。骨格構造を持つ人が、筋肉だけで運動していると理解する方が間違っています。気合いと根性ではどうにもなりません。
 最近ようやく多くのアスリートや指導者がこのことに気付きはじめたようです。伝統武術はスポーツ科学の生まれる前からこういうことを既に知っていたわけです。

福岡八卦掌教室 指導員/大和晋(やまと しん)
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