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今の時代における身体操法の意義


初めてこのブログにお立ち寄り頂いた方には、前書からご覧いただくことをお勧めします。

二種類の脳の特性比較から、今の時代における身体操法の意義を考察してみたいと思います。
前回の記事の終わりに、頭での理解がままならないようでも、体が予想以上に優秀に学習を進めてくれると書きました。正確には、ここでいう頭とは、意識的な動作をコントロールする大脳のこと、体とは、無意識で体をコントロールする線条体を指しています。体の学習機能が優れているとは、つまり、線条体の学習能力が優れていることを意味します。つまり、便宜上、脳と体という比喩を用いましたが、実際は、どちらも脳の異なる部位をさしています。
線条体の情報処理量と情報処理速度が非常に優れていることは、「人間の進化の本当の意味」で書きました。線条体は動作情報の記憶にすぐれていて、同じ動作を定期的に何度も繰り返すと、動作要点を刷り込み学習します。かつ、同時に複数の動作を並立して学習し、コントロールできることが知られています。時間はそれ相応に費やしますが、方法が正しければ確実に進化します。「光としぼり」のたとえで説明したとおり、大脳による意識は一つのことに集中できるものの、同時に複数のこと、あるいは広範囲のことに焦点を広げて情報収集をするのが大変苦手です。ですから、この点において、線条体は、大脳よりも大変優れていると言えます。一方でヒトが進化の過程で発達した大脳は、単純に情報処理量と情報処理速度を増大させる発達とは言い切れないということも同記事で記載しました。また、「光のしぼり 意識の性質」で紹介した、テーブルクロスのたとえの通り、現在という地面軸からの意識の離陸と、それにともなう大脳の発達の方向性について触れました。言い換えると、大脳が得意とするのは、時間軸的に情報量を増やすことといえます。たとえば、自然現象を観察し、時間経過的にできるだけ長い一続きの関連性を捉えて情報を蓄積する点です。この能力を得て、人の意識はより遠い未来へと伸びていきました。やがて、結果を体系づけるための情報量が、人の記憶に頼るには多くなりすぎると、情報を形に残すこと(外部記憶)を用いて、それを足がかりに、さらに遠い未来へと意識を伸ばす努力を続けました。
ヒトの歴史はまさに、いかに遠い未来を正確に予測できるかというものさしの上で、その情報処理能力を上げるべく努力と発明を行ってきた過程といっても間違いではないでしょう。中近世に始まる科学の発達と、産業革命における機械化がもたらした科学力重視の加速化、さらには、社会の情報化、経済活動のグローバル化を経て、これでもか、これでもかと、情報量は複雑化しながら膨張し続けています。近現代は、その科学力の恩恵に与り生活が豊かになったため、当然の如く、その社会の中で、さらなる社会の発展に寄与する人となるために、或いは、その社会の中で、さらなる恩恵に与るためには、とめどなく膨張し続ける情報を常にアップデートし、正しく情報分析を行い、そして判断して生きていかなければならなくなりました。
ところが、少し問題が生じました。本来、より正確な未来を予測するための情報分析は、個人がその分析対象を広範に広げつつ、それら大量の個人がお互いに効率的に情報公開や情報交換を進めた結果、分析に対する解答情報はソリッドでなくなってしまいました。変動値を多く見つけたために、知れば知るほど情報の底なし沼にはまり込むように、情報のカオスが出現し、自分の生活に直接的、あるいは、間接的にかかわる世界が広すぎるため、それと関わる情報ですら、何が本当で、何が嘘であるのか、その根拠を個人の力で実証したり、体験することができなくなってしまいました。いわば、テーブル上から離陸した意識が、その帰還点を見失ってしまった状態です。「凧と凧糸 意識の操作と運動」で示したように、伸ばしすぎた凧糸を元の糸巻きにうまく戻せない、とはまさにこの状態を指しています。
うまく飛んでいる凧を操っている時は、手元にいい感触の引きがあるはずです。この手ごたえが、地面と人と、凧と大気を一つにつなぎます。ですが、帰還場所を失い、遠くまで伸ばした意識がカオスにつかまったまま、まったくの手ごたえを失ってしまった場合、自然、現在、人、未来はバラバラになり、統一感を失います。いくら意識を遠くまで伸ばしても、どうせ答えにたどり着けないのなら、意識の使用をやめよう、と意識を元の鞘に戻せる人は幸いです。ですが、きっと答えがあるはずと、意識を緊張したまま伸ばしている人は、意識の力が、無意識が体を守ろうとする指令領域に侵食し始めます。こうなると、精神的な健康も肉体的な健康も損なわれてしまうでしょう。身体操法が求めるのは、こうした人も、伸ばした意識の糸を切ることなく、少しずつ糸を巻き直し、思考に対する結果という手ごたえを取り戻す作業だと言えます。

1 前書き
2 はじめに
【分類】 意識
【概要】 基本モチーフの説明
3 凧と凧糸 意識の操作と運動 
【分類】 意識
【概要】 企みが悩みになる意識の性質
4 光のしぼり 意識の性質
【分類】 意識
【概要】 二つの意識のメリットとデメリット
5 天才とは
【概要】 天才の性質を説明し、かつ、身体操法は天才でない人が学ぶための方法と説明
6 人間の進化の本当の意味
【分類】 進化
【概要】 企てたヒト 立ち止まって、動くのを止めて考えることを選んだ
7 身体操法で目標とする動作
【分類】 動作
【概要】 意識しなければいけないのに、意識すると難しくなるという矛盾
8 身体操法における動作要領
【分類】 動作
【概要】 具体的な動作要領
9 今の時代における身体操法の意義
【分類】 文化
【概要】 意識と行動を密着させる感覚を取り戻す手段としての身体操法
10 情報の整理
【分類】文化 
【概要】 普及しにくかった理由、時代を客観的に理解する
11 手作業の意味
【分類】 進化
【概要】 進化の流れから手作業の意味を解く
12 進化の反面
【分類】 進化
【概要】 ヒトの進化のデメリット
13 どうして健康になるのか
【分類】 健康
【概要】 身体操法と健康
14 究極のパズル
【分類】 パラダイム変換
【概要】 難しくて面白いパズルを例えにした説明
15 身体操法学習上の禁止事項
【分類】 練習容量
【概要】 具体的な練習方法に関して
16 AとBの性質の理解
【分類】 意識
【概要】  Bの性質の理解と活用法
17 師弟関係とは 身体操法の普遍性
【分類】 文化
【概要】 様々な分野での活用の可能性
18 パラダイム変換に関して
【分類】 パラダイム変換
【概要】 身体操法を通じて柔軟なパラダイム変換能力を身につける
19 姿勢と健康
【分類】 健康
【概要】 姿勢と健康



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身体操法における動作要領


初めてこのブログにお立ち寄り頂いた方には、前書からご覧いただくことをお勧めします。

私が誰かに身体操法を教えるとして、その場合に用いる運動は、その場立ちでの体の伸縮運動と歩くことの二つです。非常にシンプルですが、これが理想的にできるようになれば、意識と運動の調和がとれ、身体機能も向上するはずですし、運動能力に関しては、重心移動速度の向上が見られるようになります。

体の伸縮運動では、腰部(丹田)を全身の動きの中心に据え、丹田から全身が動くようにし、また逆に、体のどこか一点が動くときは、同時に全身が動くように練習します。

歩く練習では、体に働く慣性が極力働かないようにして歩きます。通常の歩行では、後ろ足の筋肉で地面を蹴ることで前に進みますが、これをできるだけ排除するようにします。

文章では分かりにくいでしょうが、実際に動作を見ながら、そして、自分で体験しながら進めれば、自分の体ですから、少しずつですが、確実に理解が進みます。ところで、人の体は二本足でも倒れないように全身のバランスをとることのプライオリティーが非常に高くなっています。バランスを崩す外部衝撃が体に加われば、瞬時にそれに対抗する力が働くよう、局部筋肉を緊張させたり、姿勢を変えたりします。これは進化の歴史を踏まえれば当然のことといえます。一方、身体操法の学習中に、この非常装置が働いて全身が制御されてしまったら、それ以外の運動と、それに対する身体の反射を見る機会が全て失われてしまいます。
また、もう一つの状況下でも同じように、身体操法学習の妨げとなるものがあります。走行中の車が急停止したら、車中で車に固定されていないものは、そのまま前方への運動を続けます。実は、人の通常の歩行時にも同じような慣性が働いています。歩行の際の後ろ足の蹴りによる前進運動の場合、その動力源である後ろ足の筋肉の収縮とそれに伴う間接の曲げ伸ばしが完了していても、前足が着地するまで、或いは次の一歩までのエネルギーとして、慣性を利用しています。急停止した車から投げ出される物体自身は車に対して影響力のある運動を行うことができないのははっきりしています。同じように、進行方向への慣性に体の移動を任せている状態では、体はその全体のへ働きかけをできる運動ができなくなってしまいます。

したがって、身体操法で目標とする動作の練習をする際には、この二つの状態が生じないように注意します。つまり、できるだけ体の筋力に頼らずに立てるように、①力を抜いてまっすぐに立ち、かつ、動く際には、②体が倒れないためのオートバランサーという反射と、③体全体への慣性ができるだけ働かないようにします。

その基本状態を保ちながら、体の伸縮や、歩行などの動作を試みます。動くということは、今保っている全体のバランス状態を、少なからず、一度は崩してしまうことを意味します。体は、その情報をキャッチして、体のバランスを保つよう反応します。その反応は非常に敏感で、そして瞬時に動く早い運動のため、それをより的確に感じ取るために、できるだけゆっくりと動作を行います。これにより、反射反応が起きるために必要な刺激(情報量)をできるだけ少量に抑えて与えるようにします。

このように説明すると、学習し始めのころは、非常に歯がゆく感じるかもしれません。できるだけゆっくりと、そしてできるだけ力を抜いて。そして、感覚が不慣れな状態で、ほんの少しの情報を頼りに、どれが正確な動作か見極めるために模索するのですから。ですが、基本モチーフで説明したとおり、そこが、スタート地点のCエリアを指しているのであり、グラフにあるとおり、Cの状態は、AもBもそもそも活発に活動しにくいエリアですから、むしろ始めは戸惑って当然なのです。ですが、Cエリアにいるからこそ、かろうじてAとBが協力して作業を進められるスタート地点であることを忘れないで下さい。大丈夫です。そのことさえ、しっかりと把握できていれば、体は思ったよりも(頭で考えているよりも)優秀に記憶学習を進めてくれるものです。

1 前書き
2 はじめに
【分類】 意識
【概要】 基本モチーフの説明
3 凧と凧糸 意識の操作と運動 
【分類】 意識
【概要】 企みが悩みになる意識の性質
4 光のしぼり 意識の性質
【分類】 意識
【概要】 二つの意識のメリットとデメリット
5 天才とは
【概要】 天才の性質を説明し、かつ、身体操法は天才でない人が学ぶための方法と説明
6 人間の進化の本当の意味
【分類】 進化
【概要】 企てたヒト 立ち止まって、動くのを止めて考えることを選んだ
7 身体操法で目標とする動作
【分類】 動作
【概要】 意識しなければいけないのに、意識すると難しくなるという矛盾
8 身体操法における動作要領
【分類】 動作
【概要】 具体的な動作要領
9 今の時代における身体操法の意義
【分類】 文化
【概要】 意識と行動を密着させる感覚を取り戻す手段としての身体操法
10 情報の整理
【分類】文化 
【概要】 普及しにくかった理由、時代を客観的に理解する
11 手作業の意味
【分類】 進化
【概要】 進化の流れから手作業の意味を解く
12 進化の反面
【分類】 進化
【概要】 ヒトの進化のデメリット
13 どうして健康になるのか
【分類】 健康
【概要】 身体操法と健康
14 究極のパズル
【分類】 パラダイム変換
【概要】 難しくて面白いパズルを例えにした説明
15 身体操法学習上の禁止事項
【分類】 練習容量
【概要】 具体的な練習方法に関して
16 AとBの性質の理解
【分類】 意識
【概要】  Bの性質の理解と活用法
17 師弟関係とは 身体操法の普遍性
【分類】 文化
【概要】 様々な分野での活用の可能性
18 パラダイム変換に関して
【分類】 パラダイム変換
【概要】 身体操法を通じて柔軟なパラダイム変換能力を身につける
19 姿勢と健康
【分類】 健康
【概要】 姿勢と健康




身体操法で目標とする動作


初めてこのブログにお立ち寄り頂いた方には、前書からご覧いただくことをお勧めします。

さて、「人の進化の本当の意味」のおさらいをすると、脳は、ヒトに進化する前から優れた働きを持っていた基幹部位と、ヒトに進化することで急激に発達を遂げた部位との二つに大きく分けられるといえます。両者とも優れている点が異なるため、どちらが高性能でどちらが低性能であるという言い方はあえてしません。ちなみに、その発達の理由から、人が意識しにくい脳の働きが前者、意識しやすいのが後者となります。そして、両者それぞれが指揮を得意とする運動の種類も自ずと異なってきます。前者は、体全体の重心バランスを調整する運動、後者は、腕を全身の重心バランスから独立させて動かす運動。そして、こうもいえます。前者は無意識下での反射的な運動を得意とし、後者は、意識的で意識の流れを追い越せない速度の運動を得意とする。

そして、この話しを前提とすると面白いことがおきます。もうお分かりでしょうか。仮に、目的とする運動の状態が、前者が得意とする、つまり、体全体の重心バランスを調整する運動だったなら、あなたが、意識的にその運動を求めれば求めるほど、体はいうことを聞かなくなるのです。基本モチーフのグラフを再度用いるならば、意識Aの働きが大きい状態では、Bのパフォーマンスは著しく低下している状態を表していることを意味します。

そして、ここでようやく私が皆さんに勧めたい身体操法が目標とするところの動作の話が可能となります。身体操法では、この本来は無意識下でコントロールするのが得意な動作を、意識的にコントロールできるようにする方法の修得を目標とします。

この動作を行う上で重要になるポイントを先に挙げておきます。
1、 動作の目的を明確に頭で理解し、意識的に運動を行う。
2、 無意識的動作がおこりやすい環境下で練習を繰り返す。

そして、目指すのは、体全体の重心バランスを調整する運動です。

無意識的動作が起こりやすい環境とは、裏返せば、意識を刺激するものがより少ない環境ということなので、静かな場所、できるだけ他の人がいない場所、または、人に見られていることが気にならない場所、そして、意識が活発で心がざわざわ落ち着かない状態では非常に練習効果が低いため、ひどくおなかのすいている状態や、仕事などで精神的あるいは体力的にも疲弊している状態は好ましくありません。練習中も、のどが渇いたら逐次水分を補給し、頭が混乱したらリラックスして気分転換をはかり、筋肉が疲労しすぎて、正確な動作を守ることだけで頭が一杯になるような状態になったら、筋肉の疲れがとれるまで休憩をはさんで練習を続けます。さらには、無酸素運動のような、呼吸が苦しくなる運動、筋肉が悲鳴を上げるような運動は、それだけで、目的の妨げとなるので特に避けるようにします。

体全体の重心バランスがとれている運動状態というのは、自分の体をメディアとしてその感覚をつかむことが可能です。ただし、ほとんどの人はその感覚に非常に鈍感であるため、意識してその感覚を味わい、高めなければ、いつまでたっても感じ取ることはできません。それは、どんな物音を聞いても、その音階を正確に感じ取れる絶対音感の持ち主や、どんな料理を食べてもその食材をすべて言い当てる舌の持ち主の持つアナログ的な感覚と変わりません。そこまで絶対的な感覚を全ての人が得ることはできないでしょうが、人間は動物なので、意識してその感覚を養えば誰でも手に入れらる感覚であることは間違いありません。

少し話はそれますが、指先を動かすと脳が活性化するという話を聞いたことはないでしょうか。意識的に指を動かすと脳全体の90数パーセントが占拠されてしまう、というのもどこかで聞いたことがあります。ですが、身体操法で求める運動をつかさどる部分は、この行為で活性化される部位に含まれていません。逆に言うと、指や手あるいは肘関節から下の小手部分だけを意識的に動かしてしまったら、目的とする動作の妨げとなってしまうことを意味しています。ところが、サルがヒトに進化して以来、人間が意識的に蓄積してきた日常の動作の多くは、指や手あるいは肘関節から下の小手部分だけを意識的に動かす動作です(だから、大脳を発達させることができた)。こういうと、目標とする動作が人間にとっていかに難しい動作か理解しやすいかと思います。ですが、こうも言えます。動物が得意とする動作、人間特有の動作、それら両者の違いを客観的に認識し、かつ、コントロールできるのは人間だけです。そして、それができたならば、人間の中でも、一番難しいことをやり遂げたといっても過言ではないと思います。なぜならば、この感覚の修得と、運動状態のコントロールは、教えられなくてもできるようになったほんの一部の才能の持ち主と、非科学的と言われながらも伝統的な厳格な練習方法を最後までやり遂げられた、これもほんの一部の人にしか、これまでは到達できないエリアだったからです。

1 前書き
2 はじめに
【分類】 意識
【概要】 基本モチーフの説明
3 凧と凧糸 意識の操作と運動 
【分類】 意識
【概要】 企みが悩みになる意識の性質
4 光のしぼり 意識の性質
【分類】 意識
【概要】 二つの意識のメリットとデメリット
5 天才とは
【概要】 天才の性質を説明し、かつ、身体操法は天才でない人が学ぶための方法と説明
6 人間の進化の本当の意味
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【概要】 企てたヒト 立ち止まって、動くのを止めて考えることを選んだ
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【分類】 動作
【概要】 意識しなければいけないのに、意識すると難しくなるという矛盾
8 身体操法における動作要領
【分類】 動作
【概要】 具体的な動作要領
9 今の時代における身体操法の意義
【分類】 文化
【概要】 意識と行動を密着させる感覚を取り戻す手段としての身体操法
10 情報の整理
【分類】文化 
【概要】 普及しにくかった理由、時代を客観的に理解する
11 手作業の意味
【分類】 進化
【概要】 進化の流れから手作業の意味を解く
12 進化の反面
【分類】 進化
【概要】 ヒトの進化のデメリット
13 どうして健康になるのか
【分類】 健康
【概要】 身体操法と健康
14 究極のパズル
【分類】 パラダイム変換
【概要】 難しくて面白いパズルを例えにした説明
15 身体操法学習上の禁止事項
【分類】 練習容量
【概要】 具体的な練習方法に関して
16 AとBの性質の理解
【分類】 意識
【概要】  Bの性質の理解と活用法
17 師弟関係とは 身体操法の普遍性
【分類】 文化
【概要】 様々な分野での活用の可能性
18 パラダイム変換に関して
【分類】 パラダイム変換
【概要】 身体操法を通じて柔軟なパラダイム変換能力を身につける
19 姿勢と健康
【分類】 健康
【概要】 姿勢と健康



人間の進化の本当の意味


初めてこのブログにお立ち寄り頂いた方には、前書からご覧いただくことをお勧めします。

人の意識と動作の作用を読み解くには、人以外の動物との比較、そして、人自体が、サル(動物)から人へと進化した過程を分析するのがよいと考えます。少し話はそれますが、恐竜は、その大きな体をうまくコントロールするために、頭部以外にも脳のような器官を体内に持っていたと聞いたことがあります。本当かはわかりませんが、この話の根拠は、頭から全身の指令を瞬時に下し続けるには体が大きすぎたということを意味しています。また、恐竜が絶滅した原因の一つとして、その身体の巨大化が、他の生物との生態系バランスを崩し自滅したという説も耳にしたことがあります。それが、これもまた事実かどうかはひとまずさておき、その説ももっともだと信じたくなるほど、恐竜は生物として異常に大きすぎるという感覚が自然と湧いてくるのも事実です。ところで、恐竜の歴史は6,000万年続いたようです。それに比べて、人間の歴史はたったの40万年。人間は、その体こそそれほど大きくはないものの、恐竜にも負けず劣らず、画期的な進化を遂げました。そして、その生物としての異常さが、今後地球上の生物界全体のさらなる進化をもたらすのか、それとも、恐竜のように全滅或は自然界に淘汰されてしまうのかは、誰にもわかりません。

多くの人にとって、「人は他の動物よりも頭がいいんだよ」くらいの認識しかないかもしれません。もっと具体的にどう違うのかということを考える機会も日常には余りないでしょう。単純に頭が良い/悪いと分類してしまうと、それぞれの脳の性能が下等である、或いは、高等であるという考えにつながりがちです。では、脳機能として何が高性能で何が低性能なのでしょうか。このように考えて整理していくと、人間の進化の本当の意味がすっきりと見えてくるはずです。例えば、パソコンの場合、記憶できる情報量と情報処理速度がそのパソコンの性能を表す明確な基準となりえます。では、動物の情報処理機能は低性能でしょうか。

現在、コンピュータ技術、ロボット工学が非常に発達しています。人間同様二足歩行のロボットもあります。ですが、それだけ発達しても、まだまだ本当に生きている動物の動きを再現することはできません。例えば、アリが砂場を歩いていたとします。よくある風景ですよね。アリは体長からすると非常に速いスピードで歩きます。そして、アリの視覚からすると、砂粒は大きな石のブロックに相当するでしょう、つまり、人の目から見れば、平らな砂場を歩いているだけの光景も、アリからすれば、非常に複雑な障害物コースを6本足で巧みに疾走していることになるでしょう。この場合、自分の重心を崩さないようにうまく移動させるために必要な情報処理と6本足それぞれへの出力(=運動)をこなせる脳機能は、超小型、最軽量でありながら、非常に高性能といえるのではないでしょうか。

生物には食う食われるという生存競争があるため、こと動物にとって、食われないため、或いは怪我をしないための運動能力と、その運動能力を支える情報処理速度は、極めて重要な問題となります。命が危機にさらされた瞬間に、反射的に動ける速度が出せなければ生きていくことができません。そして、サルから進化した人間にも、もちろんこの運動のための情報処理能力が備わっています。この脳部位は線条体とよばれ、脳幹にあり、大脳の大きさと比べると極小の器官です。つまり進化の過程からすれば非常に原始的な脳の部位であるといえます。

そこで一つの仮定を考えます。人間以外の動物は、動くため(=体を動かすため、行動するため)の情報処理能力を高めるように脳を進化させた。しかし、人間の脳は、目的の方向を全く変えて脳を発達させたと。つまり、行動(体を動かすこと)を伴わずに、思考だけをするための脳部位を発達させたと。これが事実だとするならば、人の脳の発達は、情報処理量の増大や情報処理速度のアップとは、単純なイコールでは結べないことが想像されます。

ここで少し、動作/運動の話しをしておきます。動物が倒れない(転ばない)用にバランスを取る、或いは、走りながら急に方向転換するとか、或いは自重の慣性を最大限生かして攻撃をする場合、脳は、必ず全身の姿勢と重心を計算しなければなりません。絶えず動きながらも、頭部や四肢など稼動可能な体の全ての部位が協調して目的の重心を保つように、脳は指令を下さなければなりません。これをコンピューターを使用して機械で動作を再現しようとしたらなら、どれだけ大変なことかすぐに想像がつきます。なぜなら、動きながらだと、全体を調整するための複数の要素が同時に絶えず変化するからです。さらには、それらの情報を即座に調整・更新・指令・再調整をずっと繰り返さなければなりません。

ところで、いくらこれら運動に関する情報処理が大変だとしても、生きていくためには一番優先順位の高い情報処理分野であることは、動物としての宿命と言えます。ですが、常に、この情報処理に関わっていたら、人としての飛躍的な大脳の発達はなかったでしょう。人は基本姿勢を変えることで、動作と思考を分離させることに成功しました。つまり、直立二足歩行です。

常識的に考えれば体を支える足を4つから2つに減らせば、重心バランスを保つことが極端に難しくなるはずです。ですが、この点さえクリアしてしまえば、今度は、二本足で立ち止まったまま、大きな重心移動をせずに(つまり移動運動をせずに)、前肢(手)だけを、全体の運動と切り離して動かすことができるようになります。まさに、発想の転換です。これで他の四足の動物のように常に体全体の重心と動作の調整に追われる必要がなくなりました。

二本足でうまく立てるようになったヒトは、きっと、ボーっとしながら事象を眺めたり、余った前肢で遊んだりしながら、遊びと発見を繰り返し、知識を蓄えたいったのでしょう。また、手で細工の細かい道具を作り、知識を道具として形状化して残すことを覚えました。これは、PCで言うならば外部記憶に匹敵する機能です。こうして、遊び、思考、手の運動、道具作りを繰り返しながら、全ての要素が協力して巨大な押し車を回すように大脳もまた大きく進化していったのだと想像されます。

以上が思考と動作が分離した仕組みの仮説ですが、やがてヒトは、思考を動作から分離させるだけでなく、現実には起きていない空想上の世界で働かせることができるようになりました。つまり、空想上の過去や未来を思考できるようになりました。「光のしぼり 意識の性質」で書いた、テーブルクロスの浮遊状態です。ヒトの思考と意識は現在という地面からの離陸にも成功しました。

まだまだ、内容は長くなりそうですので、続きは、次回の記事に譲ることにします。

1 前書き
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【分類】 意識
【概要】 基本モチーフの説明
3 凧と凧糸 意識の操作と運動 
【分類】 意識
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【分類】 意識
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7 身体操法で目標とする動作
【分類】 動作
【概要】 意識しなければいけないのに、意識すると難しくなるという矛盾
8 身体操法における動作要領
【分類】 動作
【概要】 具体的な動作要領
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【分類】 文化
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10 情報の整理
【分類】文化 
【概要】 普及しにくかった理由、時代を客観的に理解する
11 手作業の意味
【分類】 進化
【概要】 進化の流れから手作業の意味を解く
12 進化の反面
【分類】 進化
【概要】 ヒトの進化のデメリット
13 どうして健康になるのか
【分類】 健康
【概要】 身体操法と健康
14 究極のパズル
【分類】 パラダイム変換
【概要】 難しくて面白いパズルを例えにした説明
15 身体操法学習上の禁止事項
【分類】 練習容量
【概要】 具体的な練習方法に関して
16 AとBの性質の理解
【分類】 意識
【概要】  Bの性質の理解と活用法
17 師弟関係とは 身体操法の普遍性
【分類】 文化
【概要】 様々な分野での活用の可能性
18 パラダイム変換に関して
【分類】 パラダイム変換
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天才とは


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天才とは 

色々な分野に天才と言われる人がいますが、同じ優秀な業績を残す人の中でも、秀才と天才の違いはどこにあるのでしょうか。天分(英語ではgift)といわれるように、生まれついて優れた資質を備えた人を天才ということが多いようです。或いは、天才が結果を出すために用いる方法は、理論重視というよりも、天分による直感がベースとなることが多いため、普通の人には真似ができないと言われたりもします。

「はじめに」で紹介した基本モチーフで天才の存在をとらえ直すと、その意味するところがもっとクリアになります。

意識グラフC


いわゆる天才と呼ばれる人たちは、誰かに方法を教わらなくとも、何らかのきっかけでAとBの協力状態をコントロールできる人、ということになります。本人は、その状態に強い安定感と、コントロールできる実感を持っているため、その能力に疑問を持たないかもしれません。ですが、その判断の理由を第三者に尋ねられると、それをAの能力、つまり、意識的なレベルで理論的に説明がうまくできません。なぜならBの協力について、Aは語ることができないからです。

一方で、私が説明しようとしている身体操法とは、天才ではない人が、天才と言われる人のレベルの技術を習得するための方法です。実は、こうした方法は、科学的分析方法など持たなかったはるか昔から、経験と実証の繰り返しにより、人の手により編み出されていました。ですが、近現代に入り、科学力の発達に伴い、科学的回答を見つけられないこうした古い方法は信用されなくなり、廃れていくようになりました。ところが、「はじめに」の中で、あっさりグラフで示した通り、更なる科学の発達は、この古人が創作した方法を分析できる基礎をも築き上げたのです。

ところで、ここまでブログをご覧になった方には、もう前置きはいいから、早く具体的な方法について書いてくれ、と思う方もあるかもしれません。中国語には、「好学、不好練。」という言葉があります。ここでの「好」という漢字は、動詞のlike(好き)ではなく、副詞のeasily(簡単に)という意味で用いられています。直訳すると、「覚えるのは簡単だが、練習するのが難しい」という意味になります。身体操法を学習するための基本動作は、驚くほどにシンプルで、簡単な動作です。その動作を見て概観を真似てて覚えるのは、いとも簡単なことです。ですが、その動作の本当の目的を見極めて、方向性をもって意識的に練習をすることは、そんなに簡単なことではありません。一方で、その見た目にはシンプルな動作を、しっかりと練習できるようになったならば、AとBの協力状態をソリッドな感覚として身に付けることができるため、その応用できる分野は、運動にとどまらず、あらゆることの成功の秘訣としての広がりを持つようになります。ですので、基本動作については、追々説明することとして、まずは、その非常に簡単な動作がなぜそんなにも重要なのかということを読み解くための、説明をさらに進めて行きたいと思います。

1 前書き
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3 凧と凧糸 意識の操作と運動 
【分類】 意識
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4 光のしぼり 意識の性質
【分類】 意識
【概要】 二つの意識のメリットとデメリット
5 天才とは
【概要】 天才の性質を説明し、かつ、身体操法は天才でない人が学ぶための方法と説明
6 人間の進化の本当の意味
【分類】 進化
【概要】 企てたヒト 立ち止まって、動くのを止めて考えることを選んだ
7 身体操法で目標とする動作
【分類】 動作
【概要】 意識しなければいけないのに、意識すると難しくなるという矛盾
8 身体操法における動作要領
【分類】 動作
【概要】 具体的な動作要領
9 今の時代における身体操法の意義
【分類】 文化
【概要】 意識と行動を密着させる感覚を取り戻す手段としての身体操法
10 情報の整理
【分類】文化 
【概要】 普及しにくかった理由、時代を客観的に理解する
11 手作業の意味
【分類】 進化
【概要】 進化の流れから手作業の意味を解く
12 進化の反面
【分類】 進化
【概要】 ヒトの進化のデメリット
13 どうして健康になるのか
【分類】 健康
【概要】 身体操法と健康
14 究極のパズル
【分類】 パラダイム変換
【概要】 難しくて面白いパズルを例えにした説明
15 身体操法学習上の禁止事項
【分類】 練習容量
【概要】 具体的な練習方法に関して
16 AとBの性質の理解
【分類】 意識
【概要】  Bの性質の理解と活用法
17 師弟関係とは 身体操法の普遍性
【分類】 文化
【概要】 様々な分野での活用の可能性
18 パラダイム変換に関して
【分類】 パラダイム変換
【概要】 身体操法を通じて柔軟なパラダイム変換能力を身につける
19 姿勢と健康
【分類】 健康
【概要】 姿勢と健康



光のしぼり 意識の性質


初めてこのブログにお立ち寄り頂いた方には、前書からご覧いただくことをお勧めします。

意識という言葉は、日常生活の中では比較的抽象的、あるいは、概念的な言葉とみなされているように思います。もちろん、仕事をしていて同じミスが続いた時に、「もっと意識的に注意しなさい」と上司から言われたりという用いられ方はあるかもしれません。ですが、その一方でその性質について日ごろ具体的に考える機会はあまりはないようです。

ところで、身体操法を学習するためには、この意識の用い方が非常に重要になってきます。ですが、やはり、意識はいろいろな角度からみると、色々な性質をもっているようで、全体を簡潔に説明するのは容易ではありません。そこで、その時々表現したい性質の一面を、他のものに例えて説明することにします。

ここではまず、意識を光としぼりに例えてみます。

同じ明るさの光源にレンズを置きます。そして、そのレンズを調整することで、焦点を絞ったり、広げたりします。絞った状態では、細くて強い光がより遠くを照らすようになります。逆に、焦点を広げた状態では、ぼんやりと弱い光が広い場所を照らすようになります。「はじめに」では、便宜上グラフを用いて意識をAとBの2種類に分断して紹介しましたが、実際はAとBの境目が明確でなはなく、一続きのこともあるでしょう。この光のたとえで理解すると、別の角度から意識の性質を理解しやすいと思います。つまり、意識を一点に集中させるとより遠いところまで届き、逆に意識が拡散した状態では広い範囲をカバーすることができると言えます。

光のしぼり


ところで、人間以外の動物にも意識はあります。ですが、人間と動物の意識の違いはどこにあるのかといえば、(専門学者ではないのであまり大それたことは言えませんが...)この光のたとえを用いると、人間は動物よりも段違いに遠いところまで光で照らすことができることにあると言えそうです。他の動物には到底意識できなところまでも、人間なら意識することができます。人間はその強みをもって他の動物から身を守り、また統制してきました。

さて、ここで光の他にもう一つのたとえを用いることとします。
丸テーブルに、レースなどのやわらかい生地のテーブルクロスがかぶせてあります。その丸の中心をつまみ上げ真上に引っ張ります。上に高くつまみ上げれば上げるほど、テーブルクロスがテーブルを覆うことのできる面積は小さくなります。高さを得ると、広さを失う。広さを得ると、高さを失う。光の例と似ていますね。ここでも、テーブルクロスの高さが、意識の届く距離を表しています。ところで、さらに高くつまみ上げてゆき、最後にはクロスがテーブルから離れて宙釣りの状態になりました。それでも、まだ、クロスは上へ上がり続けます。

動物の意識は、最高でもこのテーブルクロスがテーブルから離れることはありません。ですが、人間の場合は、テーブルから離れてもなお高いところへ向かうことができると言えそうです。テーブルは現在実在するもの、あるいは、状態です。人間の場合、現在という土台から離陸している、つまり、現在実存しない仮定過去や未来にまで、意識を伸ばすことができることを意味します。ご存じのとおり、人間はこの意識の力により、他の動物にみない能力を発揮しながら、発達してきました。

身体操法を学ぶ上で、意識の性質の理解とその使い方が非常に重要だ、とは先に述べたとおりです。光とテーブルクロスの例では、距離と範囲が相対的な関係であることを説明しました。身体操法を学ぶとは、簡単にいえば、この距離と範囲の両方のメリットを引き出す方法と言えます。また、テーブルクロスのたとえでは、人間とその他の動物の違いについて触れましたが、さらに、人間の行為の特性、あるいは、人間の得意な動作、不得意な動作などを理解すると、より明確に身体操法修得のコツがつかみやすくなります。

1 前書き
2 はじめに
【分類】 意識
【概要】 基本モチーフの説明
3 凧と凧糸 意識の操作と運動 
【分類】 意識
【概要】 企みが悩みになる意識の性質
4 光のしぼり 意識の性質
【分類】 意識
【概要】 二つの意識のメリットとデメリット
5 天才とは
【概要】 天才の性質を説明し、かつ、身体操法は天才でない人が学ぶための方法と説明
6 人間の進化の本当の意味
【分類】 進化
【概要】 企てたヒト 立ち止まって、動くのを止めて考えることを選んだ
7 身体操法で目標とする動作
【分類】 動作
【概要】 意識しなければいけないのに、意識すると難しくなるという矛盾
8 身体操法における動作要領
【分類】 動作
【概要】 具体的な動作要領
9 今の時代における身体操法の意義
【分類】 文化
【概要】 意識と行動を密着させる感覚を取り戻す手段としての身体操法
10 情報の整理
【分類】文化 
【概要】 普及しにくかった理由、時代を客観的に理解する
11 手作業の意味
【分類】 進化
【概要】 進化の流れから手作業の意味を解く
12 進化の反面
【分類】 進化
【概要】 ヒトの進化のデメリット
13 どうして健康になるのか
【分類】 健康
【概要】 身体操法と健康
14 究極のパズル
【分類】 パラダイム変換
【概要】 難しくて面白いパズルを例えにした説明
15 身体操法学習上の禁止事項
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凧と凧糸 意識の操作と運動


初めてこのブログにお立ち寄り頂いた方には、前書からご覧いただくことをお勧めします。

「どうしようか...」と悩むことが一日に何回あるでしょうか。学校、仕事、友人関係、家族の問題、不安定な政治、環境破壊、漠然とした不安。「今晩は何を食べようか...」という身近で具体的な問いかけから、果てはグローバルな問題まで、悩んでみたはいいけれど、いくら悩んでもすぐに解決できな問題が日常生活にいかに多いことでしょう。
遠く四方八方に伸ばした意識の線を元の所在に戻して安静な精神状態を得る。こう言えばいとも簡単なことのようですが、実際のところ、意識は電気機器のスイッチのように、パチッっと着けたり消したりするように操ることが簡単ではありません。どちらかといえば、大気に投げ出した凧と凧糸のような関係だともいえます。
凧がうまく飛ぶには、あるいは、凧の方向をうまく操るには、その時の風の状態に合わせた適当な糸の長さというのが自ずと決まってきます。体を動かさない状態で色々と思考する、あるいは意識するということは、(実際には無理ですが、)凧を空中の一点に固定したまま、糸をどんどん伸ばす状態に似ています。凧がその糸を引っ張るわけではないので、糸は、あっちへ伸び、こっちへ伸び、という具合に、あらゆる方向へ糸の収まる場所を求めて溢れ出します。ぴんと一つの方向へ伸びていないので、やがては、伸びた糸同士が絡み始めたりします。
そこで、これでは埒が明かないから、ということで、伸ばした糸をもう一度元の糸巻きに巻き直すことにしました。簡単でしょうか?

糸を切ってしまえば早いではないか?そう思われた方もあるかもしれません。プツンと糸を切る。この感覚は、どちらかといえば電気のスイッチに似ています。ところが、意識の動向は、自動的に脳に記憶されるため、完全に糸を切り去ることは事実上不可能のような気がします。一方で、眠りに落ちた時、夢中でおしゃべりをしている時、お酒を飲んだ時などの状態は、どちらかといえば、電気のスイッチのように糸を切ることと似ています。一時的に意識を切る、あるいは切り替えるために、気分転換をすることは重要で、多くの人が日常的に生活に取り入れています。

糸を切ることなく、少しずつ糸巻きに糸を戻す方法として、身体操法を用いることができます。もちろん言うほど簡単ではありません。身体操法を始めたばかりの時は、余りにも自分の意思通りに体を動かすことができず、自分の身体感覚の欠如に呆然とする人が多いでしょう。これは、出している糸が長すぎるという原因のほかにも、もっと別の原因があります(別記事で記載します)。一方で、身体操法の強みは、自分の進歩と結果が、「自分の体の動き」として出力されるため、極めて一時的な感覚でその結果を確認できるところにあります。まぐれでできた、とか、一回できたが二度とできない。ということで、進歩が止まるのではなく、継続して練習すれば、必ず毎回同じ結果を出すことができるようになります。座ったままで動かない瞑想や座禅は、動くことが脳に与える激しい情報を抑えるという効果があるでしょう。ですが、体を動かしながら、意識をコントロールする、身体操法では、前者よりも、もっと実感としてわかりやすい効果を感じながら学習を進めていくことが可能といえるかもしれません。

この身体操作ができるようになったなら、身体も精神も充足してくることをはっきりと感じることができるようになります。健康な生活の強固な礎ですね。

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はじめに


初めてこのブログにお立ち寄り頂いた方には、前書からご覧いただくことをお勧めします。

身体操法により、思考能力と運動能力を向上させることができる。その上、この両者を習慣化させることができるようになると、健康維持能力も自然と身につく。しかも、この学習には、基本的に特別な道具や教材は不要で、さらに、日常の隙間時間を利用して学習を進めることができる。また、この学習は、進めば進むほどに、内容は豊かになり、より好奇心を掻き立てる。おそらくそれは一生の教養として学習し続ける価値をも持つ。

これはもう、やらない方が損といわざるを得ない。

面白い
頭がよくなる
運動能力が上がる
健康になる
経済的
一生飽きない

世の中にこんなにも役に立つことがあるのか?

逆にこれだけいいことずくめだと、万能の効用をうたいながら、全く効き目の無い薬の如く、実際は役に立たないのではないかと思う方もいるでしょう。或いは、それほど画期的なことならば、とうの昔に普及しているはずではないかと。

その通りで、実はこの身体操法の技術は、人類にとって目新しいものではありません。古人が発見し研究し体系的に編み出した学問です。これだけ優れた内容ですので、もちろん世界中に広まりました。しかし、色々な原因により、その普及範囲には自ずと限界がありました。一つの大きな原因は、思考の盲点の存在です。

ところが現在、脳、意識、情報処理の研究が進み、一方で、そうした研究の成果が日常に浸透することで、一般の人々のそれらの分野に関する共通認識がかなり進みました。その背景を得て、思考の盲点を客観的に捉えることができるようになりました。とはいっても、もちろん、思考が届かないところを「思考の盲点」と呼ぶので、思考自体が存在する限り、盲点は永遠に消え去ることはありません。それは、明かりがあれば、必ず影ができるのと同じことです。影に明かりを照らせば、それは影ではなくなります。ですが、盲点という存在の明確な認識により、思考の可能性をさらに高めることができるようになりました。身体操法に関しても、ここを軸に話を展開させていきます。

この盲点についての詳しい説明はこれからの掲載していくブログに任せるとして、この内容をわかり易く理解してもらうために、まずは簡単なモチーフを紹介することにします。この基本モチーフは簡単な構造でありながら、様々な状況で応用がききます。

AさんとBさんがいるとします。
AさんとBさんが協力して働くことができたら、非常に高いパフォーマンスを発揮できることがわかっています。図にすると下のようになり、右斜めに延びる線がAとBが統合されたパフォーマンスとなります。

意識グラフAB改



ところが、BさんはAさんの姿が少しでも見えると隠れてしまいます。一方、AさんにはBさんの姿が見えません。

なんとか二人に協力してもらうにはどうしたらよいでしょうか。この答えも割りとシンプルです。AさんとBさんはどんなにがんばってもお互いを直接認識することはできませんので、ですので、AさんにもBさんにも双方から信頼されているCさんという仲介者を立てて、両者の調整をするのです。つまり、信頼のできるCさんという仲介者を自分の中に設けることが、身体操法の目的と言えます。

これが、簡単なモチーフです。

意識グラフC


一つ目の右斜め上へ直線に伸びる正比例グラフは理想状態であって、実際は二つ目のグラフのように反比例の曲線に近い状態で理想とは正反対にかけ離れています。AとBは全くと言っていいほどに協力できません。ですが、こうしてグラフでその状態を認識することで、随分頭をすっきりさせて前に進むことができるでしょう。

AさんとBさんというモチーフを話しましたが、このAとBには実際には色々な事象が当てはまるといえます。


A群        B群
睡眠状態  ⇔ 覚醒状態
感情     ⇔ 理性
精神     ⇔ 物質
副交換神経 ⇔ 交換神経
信仰     ⇔ 科学
無意識    ⇔ 顕在意識
反射運動  ⇔ 意識的運動
アナログ   ⇔ デジタル

話のポイントは、AとBが同時には非常に働きにくいということです。

どちらかの活動状態が高まっていると、もう一方の活動は非常に鈍ることを示しています。こう考えると、AとBの協力を得るには、Cのエリアで妥協せぜるを得ませんが、これでは、AとBのパフォーマンスはともに低く、本来理想とする目標値へは遠くかけ離れています。

また、仮にAを顕在意識としたならば、Cのエリアでの顕在意識の働きは弱く、つまり、Cの協力状態を意識すること自体が困難だともいえます。つまり、Cの声は非常に小さい、よほどこちらから注意しないと聞き取れない声だといえます。ところが、人は訓練次第で、Cの状態の維持を自由にコントロールすることができるようになります。こうなると、今度は、Cのエリアを徐々に高めていく作業も可能となります。

意識グラフ改_縮小


こうして、時間をかけて、AとBの協力体制を固め、Aだけでも、Bだけでもない、違う次元での選りすぐれたパフォーマンスを引き出すことができるようになります。



では、なぜ身体操法なのか?

身体操法の目的は、ただ体を動かすことではなく、体を動かすことを通して、Cのエリアの状態を認識することです。明確に認識できるようになったら、今度はその状態をコントロールし、利用できるように能力を高めます。

体を動かそうとする時には、実は体に対して、無意識からの命令と意識的な命令の両方が下る場合が多くあります。通常、この無意識からの命令を意識することは難しいのですが、運動という事象を取り上げた場合、無意識(B)からの命令に基づく体の運動という出力状態をメディア(=C)として、A(顕在意識)が感じ取ることが可能となります。これが、身体操法を通したCの把握のメリットであり、かつ、非常に科学的に明確にCを理解できるようになります。もちろん、Cからスタートするのですから、AからもBからも統制力は低く、状況を把握するのは簡単なことではありませんが、正しい方法で動作を繰り返し、それに慣れてしまえば自然と感覚は鋭敏になっていきます。

実際には、このAさんとBさんには色々なものが当てはまるのですが、たとえば、Aさんを思考的情報処理能力、Bさんを無意識的情報処理能力としたなら、つまり、BがAの盲点だというわけです。

ところで、この文章の筋を追いながら理解を進めている読者の意識はA(思考的情報処理能力)に支配されている状態といえます。

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