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指月 ~その2~

月とルービックキューブ

cube.jpg


リー先生は、
「考えるな! 感じろっ!!」と情熱的に教えていましたが、
私が生徒さんにいつもこんな感じで講習をしていたら、
ちょっとやばい人だと思われ、廃業してしまうでしょう(涙)。

そこが、リー先生のような天才と凡人の差。

武術を通じて目指す状態(動作やメンタル)を実現するには、
複数のことを並列して同時に行う必要があります。
そのうちの1つですら、日頃意識していない動作だと、
思うようにできないものです。

私は、変に真面目すぎて不器用というタイプで、
1つ教わると、前に習ったことができなくなるという、
絵に描いたような駄目教え子でした。

老師は、そんな私に次のように指導されました、
「ひとつのことに意識を集中し続けるな。
なんとなく頭に入れておき、練習を続けながら、
思い出したら意識をして注意し、
しばらくしてまた思い出したら注意をする、そんな感じでいい。」

これも逆説的に指月の喩え当てはまりそうです。

できる人は、できる感覚を実感できる。
まだできていない人には、その成功体感を実感できない。
だから、先生が生徒にどんなに言葉を労しても、
「指で示す」ことを超えられません。

私の場合、指月の喩えではなく、
ルービックキューブの話をします。詩的でないですが...

指導者は学習者を見ながら足りないと思う部分を指摘します。
指摘する部分は全体の一面でしかありません。
教わる側は、その一面を指摘されて100%矯正しようとするのは、
ルービックキューブの一面の色を完全に揃えることに似ています。

ルービックキューブをしたことをある方はご存知の通り、
先に1面の色を揃えると、6面の色を揃えることはできなくなります。

指導者にできない点を指摘されてその通りにできなくても、
余りくよくよせず、頭の片隅に入れておくようにします。
大切なのは、目指す6面体をより具体的にイメージしておくこと。
そうすれば、練習さえ続けていれば、身体が自ずとフォローしてくれます。
身体は相当に賢いですから。
私の場合、明らかに頭脳より、身体の方が賢いですね。

福岡八卦掌教室 指導員/大和晋(やまと しん)
HP http://baguazhang.web.fc2.com/
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指月  ~その1~

ブルース・リー映画の余りにも有名なシーンより



日本では関根勤氏の功績も大きいと思うが、
このシーンがブルース・リーの代名詞のようにもなっているということは、
リー氏にとっても本望ではないか。

ファン以外には余り知られていないが、
リー氏はアメリカのワシントン州立大学の中国哲学科を卒業している。
リー氏にとって、中国武術は自身の信じる哲学を直接表現する手段だった。

映画「燃えよドラゴン」のワンシーンにこれを加えたのは、
中国語での仏教用語である「指月」を熟知していたからに他ならないだろう。

つきをさせばゆびをみとむ【月を指せば指を認む】

〔楞厳経〕
月を指さして教えると,月を見ないで指を見る。道理を説明しても,文字や言語に捉(とら)われて本旨を理解しないことのたとえ。

手段を目的と取り違えると、
偉大な結果にはたどり着けないということを大変うまく表現している。
宇宙に浮かぶ月明かりを本当の目標とする比喩が絶妙。

月を見ずに、指先の方向に忠実であるほど、
本当の答えから遠ざかる。

教育の矛盾や、難しさを端的にあらわしている。

伝える側も、学ぶ側も、土俵はお互いが共通に認識できる
デスクトップ(作業台)しかない。残念ながらその土俵には、
指(ゆび)しか示せない。伝えたい側はその作業台の宙に月が見えている。

月明かりって何でしょうか?

デスクトップは、全体の一部でしかないことを伝えるのが、
八卦掌教室での仕事だと思っています。
賢い身体は貴方が安心してデスクトップで仕事ができるように、
意識の表舞台の裏方として大変な働きをしています。

福岡八卦掌教室 指導員/大和晋(やまと しん)
HP http://baguazhang.web.fc2.com/

謡曲とのコラボレーション!

久留米市北野にある山口酒造の会長さんと社長さんのご好意で、新酒お披露目会というおめでたい場所にて、八卦掌の表演をさせて頂きました。

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北京にいる時からファンだった銘酒「庭のうぐいす」。こちらの酒蔵の会員の方々が招待され、好きなだけ新酒を振舞って頂くという夢心地のイベント。4月12日(土)お披露目会初日の10:00~16:00の間に計250名を超える「庭のうぐいす」ファンが集いました。

表演は時間をあけて4回。お酒の席の余興として楽しんで頂くことができたようです。3月に先だって行われた蔵開きで初めてお会いした方(羽織袴で謡いをされている方)と酒を酌み交わしている時に、八卦掌の歩法とお能の歩法には共通点があるという話をしたところ、それでは来月の新酒お披露目会で謡いに合わせて演武しませんかとご提案頂き、瓢箪から駒のように話はトントン拍子に進みました。

当然謡曲の歌詞に合った振り付けが八卦掌に存在しているわけではなので、武術家の方、そして、お能の専門家の方からは非難を受けるかもしれませんが、ご覧になる方も八卦掌の動作の意味や、謡曲の歌詞まで理解しているわけではないので、直感で美しい部分だけ楽しんで頂ければよいだろうと思い切ってやらせて頂きました。

お謡いの落ち着いた素敵な声を聴いて歩法のリズムを調整していると、自然と緊張が解け、また見渡せば歴史ある建築様式の酒蔵場内の雰囲気に心地よさを感じながら表演させて頂くことができました。日本では知名度の低い八卦掌を元々武術には特に興味のない大勢の方々にご覧頂くことができ大変嬉しく思います。

福岡八卦掌教室 指導員/大和晋(やまと しん)
HP http://baguazhang.web.fc2.com/

八卦掌は、なぜ拳(こぶし)ではなく掌(てのひら)なのか?

尊敬して止まない大学の先輩が、地元で週末農業を体験可能な農園を営んでいます。その農園に行くと、することのできる選択肢(オプション)はいっぱいありますが、これをしなさいという決まりは設けていません。直感でやりたいことをやりたいだけやらせてくれます。そのコンセプトが先輩らしい。でも、誤解のないように。豊富なオプションとは、当然自然農園でできることに限られています。雑草抜きだけでもいいし、土いじりなどの畑仕事でもいいし、収穫物を薪などを使って調理することでもいい、というような豊富なオプションです。

私が先輩宅にお邪魔した際に、ちょうど聞いた話ですが、薪割りを始めたら、いたく薪割り作業が気に入り、一日中薪割りをして帰ったお父さんがいたそうです。(具体的に何だったか忘れましたが)武道の心得のある方だったとのこと。

興味のある方は、今ちょっとだけ試して頂きたいのですが、両手を力を込めてグーに握ってみてください。そして、その状態を保ちながら両腕を大きく肩からグルグル旋回… その時の旋回運動はぎこちないものでしょう。手を硬く握ると特に小手の筋肉が緊張します。関節を開いたり閉じたりするため2種類の筋肉がどちらも収縮しようとし、関節は硬直します。だから腕は回りにくいのです。逆に手を開いて脱力した状態では、ブルブル回転するでしょう。力んだ筋肉部位は、電流の流れを止める絶縁体もしくは、半導体のような働きをします。ムチの一箇所に結び目を作ると、そこで運動の波は一旦停止するでしょうが、それと同じ原理です。

薪を上手に割ろうとする時、おそらくとっさに意識するのは、斧先のコントロールと振りかぶりの勢いでしょう。大きな振りかぶりで上半身の重みを斧に伝えることができれば、薪はきっとうまく割れるはずです。ですが、両腕の硬直した筋肉は上半身から波状に伝わる運動を遮ってしまいます。つまり、斧の振りに力を込めようという意識が、斧の柄の握りの強さに変換されると、薪は割り辛くなります。力を込めれば込めるほど、そのエネルギーは腕で爆発消滅し、薪には伝わらなくなります。かといって、握りを甘くすれば、振りかぶった斧は明後日の方向へ吹っ飛ぶでしょうから、それも極めて危険ですが。

つまり、上半身は柔らかく振り動かし、腕では斧がすっぽ抜けない程度に握り、薪に当たる瞬間だけ薪に斧が跳ね返されないよう強く握る。薪割りにはそうしたコツが必要なはずです。(白状しますが実は、私は薪割りをしたことがありませんので、推量での話です…)

小学生の頃、一時期早朝に父からボクシングを習ったことがあります。ボクサーのパンチも全く同じで、拳を握るのはインパクトの瞬間だけ。ボクサーは大きなグローブをしているのでこうした拳の握りは外から見えませんが、ボクシングのパンチの威力とスピードはこうした眼に見えないちょっとした技術から生まれます。

昔のアメリカのプロボクサーはパンチ力を鍛えるのに薪割りを行ったそうです。黒澤明監督の代表作「七人の侍」でも、軍師役の志村喬が薪割りに精を出す侍をスカウトするというシーンがあります。アメリカ・ハリウッドにて「荒野の七人」としてリメイクされた時も、腕っ節のガンマン(チャールズ・ブロンソン)が薪割りをしているところを、軍師役のユル・ブリンナーがスカウトするというシーンとしてそのまま活かされていました。

八卦掌でも拳は使います。ですが、基本形は手を開いた形です。それは自由に柔らかく変化に富んだ動きをするためには、手のひら(掌)を開いていた方が適しているからというのが一番の理由だろうと(最近)強く思います。

福岡八卦掌教室 指導員/大和晋(やまと しん)
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