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"先天之気"と"後天之気"

~私が八卦掌を教える理由~

立体的な内容のため、
以下の文章は多少散逸的である。
最後まで読み進められれば、
内容に統一感が見えてくると思う。
※読者への不便をお詫びしたい。


道徳を兼ね備えない、
大人の打算は、
罪悪だ


道徳とは、
大人がどう死ぬか
(=どう生を全うするか)を
示す指針だ


子供は天使でも悪魔でもない
ちょうど両手の指で
左右反対方向に弾くと
回るコマのように
子供は勢いよく
創造と破壊を同時に繰り返す
好奇心が強く すぐに飛びつき
飽き易く すぐに捨て去る
そこに邪心がないため
そのエネルギーを
とうの昔に失った大人には
魅力的に映る


子供の放つ
その場で渦巻くような
純粋なエネルギーのことを
中国伝統医学では
”先天の気”という

生まれる前に授かった”元気”だ

成長しながら
その”先天の気”が耗滅する時が、
子供期間の終了となる


ヒトは長寿な動物だ
しかし、その長い一生のうちに
誠心誠意成し遂げられることは
ごくわずかしかない

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

それなのに年齢に応じ
数々の悩みや
困難に直面する

それでも、人がどうにか
生をまっとうしてきたのは、
曖昧の中にも
いくらかの共通点を重ねあわせて
共鳴できる能力を持ち合わせているからだ

大きな脳のお陰だろう


◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

ヒト以外の動物の共鳴は
主にface to face(場所)で
そして、live(時間)でなければ
成り立たない

ヒトは、
場所と時間を共有していなくとも
モノを媒体として
場所を越えて
時間を越えて
共鳴することができる


◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

こうして
何十年、何十年と
命が紡がれる

この曖昧さを含む
包容力の高い
物と情報のクッション層を
文化という

人の世代交代は
この文化なくして
正常に機能しない

道徳もこの文化に含まれる


◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

共鳴能力を高める環境要素とは

曖昧さ
雑然とした全体感
無駄
それに、当然少しは精微なビタミン

これらを混然と含む環境

逆説的だけど
そういうことだろう、たぶん

あらかじめ
正確な答えしか用意されてない状態では
曖昧さの中から
飛躍的に答えを推量して摑むという
ジャンプ力が鍛えられない

野菜が生きるのには、
純粋な栄養(化学肥料)と
周りの余計に見える命
雑草や虫を排除する農薬があればいいだろうと

それで、土壌が硬く痩せ
結局、元気な野菜が作れなかったように

精製された
穀物や糖類だけの摂取は身体に悪いように

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

自分で苦労して
自分の食べるものを育ててみる
自分の着る服、
使う道具を
手作りしてみる

大切な人に
それらを贈ってみる

そういうことは
いいことだと分かっていても
生産性からすれば
効率が悪く
ハイコストなので
逆に生活にゆとりのある人が享受できる
贅沢な行為となっている

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

安全で美味しい食べ物が遠ざかる
健康を損なえば医療費は高まる

伝統的な手仕事が失われていく
孤独化する老人の養護費用は高まる

共鳴する能力が極度に低下した人が
起こす犯罪の増加

こうしたリスクが現実化した時に
社会が必要とする
リカバリーコストを考えれば
もう、どっちが本当は合理的で
ローコストなのか明白な時代になった

戦後、必死に獲得してきた
便利さと合理性は
共鳴で人と人をつなぐ
ものづくりのラインを
ずたずたに断ち切ってきた

時間のかかるものづくりの
機会を失った大人は
大勢で協力して生活する場所も
若い世代から尊敬される機会も失った

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

元気な野菜が育つには
雑多な生命豊富な
柔らかい土が必要なように

そういう土壌を作り直すには
時間がかかるけど

同じように
人が育って死んでいく
豊かな土壌としての
伝統的な文化や道徳が必要だ

曖昧なものを
そのまま受け止めたり
誰かに伝えたりするのには
胆力や肚が必要だ

でも、今の時代に
一番大切なことの1つに違いない

だから、
時間がかかるけど
効率的ではないけど
全然収入減っちゃったけど
以上の理由から
八卦掌という伝統文化を
教えることを生涯の生業にすることに決めた


追記:
北京の信老師より、
八卦掌は後天の気を補う優れた方法であると学んだ。

私の指導する八卦掌が、
いくら安全なものとはいえ、
武術である以上、時に命について
緊張感をもって考察する機会を持つ。

練功が上手くいき、
上達すればなおさらのことだ。

全身の操作が容易になると、
容易に力をだすことができるようになる。
傷つけようと思えば、
簡単に他者を制し、
痛めつける技巧が身につくからだ。

こうして、
緊張感をもって命について考えること、
他者について考えること
他者と信頼関係を築いていくこと

これら全てが
しっかりとした大人として
“後天の気”を補う能力となるのだと
確信している。

福岡八卦掌教室 指導員/大和晋(やまと しん)
HP http://baguazhang.web.fc2.com/
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無動力歩行支援機

~八卦掌の歩法の考察~



大きな引き算をして、
しかも動作が美しい。

日本で歩行について研究している方の
活動についてネット検索している時に、
この名古屋工業大学の佐野教授による
無動力歩行機械の動画を見つけた。

添付動画を参照いただければ分かるが、
動力を持たない骨格機械が、
坂道、あるいは、動く地面(ルームランナー)の
上に放ると、他に力を加えずとも勝手に
歩行運動を継続する。

「面白いなぁ」と思っていたら、
先日TBSの「夢の扉」で取り上げられていた。

http://www.tbs.co.jp/yumetobi-plus/backnumber/20140817.html

・・・・・・・・

パワードスーツのようなものは、
昨今どんどん開発が進んでいるけれども、
動力を持っている=バッテリーやモーターなど
非常に重いものがくっついてくるということで、
利便性が低くなるという矛盾を抱えていた。

佐野教授の歩行支援機ならば、
装着感が格段によい様子がうかがえる。
シンプルで、効果的で、美しい。

しかし、私が面白いと感じたのは、
別の視点からだった。

・・・・・・・・

走為百練之祖
百練不如一走
走為高
走為上策

八卦掌の練習はとにかく歩くことだ。
※中国語の「走」は、「歩く」という意味

私は十数年ひたすら歩く訓練をしてきた。
そして、普段の歩行と八卦掌の歩行の違いを考える時に、
普段歩行の場合、人は巧みに振り子の原理を利用して、
極力筋力に頼らず、エネルギーを浪費せずに
歩いているとい結論に至っていた。

無動力歩行機の映像は、私からすれば、
まさに動力無し、つまり、筋肉なし・骨格のみで
歩行する例そのものであったのだ。

健常者であれば、物心着く前に歩き方を覚えるので、
歩くのを難しいと思っている人はいないが、
立って、二本足でスラスラ歩くということは、
相当高度なテクニックで、完成形へ習熟させるのには、
1歳前後で歩き始めてから更に数年を要していると考えれる。

歩くというと、後ろ足(の筋肉)で地面を蹴って
前進しているのではないかと
漠然と考えてしまいそうだが、
実際は身体を振り子状に用いて、
振り子が最高点に振れた時
(=体重が一番軽い状態の時)に
左右の棒立ちの棒(足)をタイミングよく
入れ替えている、のが実際だと思っている。

・・・・・・・・

八卦掌の歩法はといえば、
振り子状に身体を使用することを
徹底的に排除する。
それにより常に全身が落下するような状態を維持し、
その重さを、攻撃や防御の技術に転化させる。

しかし、普段の歩行は無意識でコントロールしているので、
中々それを意識して変えるのはややこしい、
ただそれだけのことだ。
情報を整理して、意識的に訓練すれば、
誰でもできるようになること。

全国で歩行研究をしている研究者も、
私を招聘すればどんどん研究が進むと思うんだけどな…

福岡八卦掌教室 指導員/大和晋(やまと しん)
HP http://baguazhang.web.fc2.com/

ラジオ体操と中国武術


日本では「大人のラジオ体操」なるものが
年々人気を高めている。

※参照http://www.1101.com/radio_taiso/

ラジオ体操は、
全身400の筋肉をまんべんなく用いた究極の運動で、
短い時間で、ダイエット、肩こり・腰痛の改善効果が
見込まれるという。

火付け役となった格子先生が、
テレビのバラエティ番組に出演されているのを見た。
いい内容だった。
一つ一つの運動の効果と、
その効果を得るために、
体のどこをどう動かすのか、
きちんと意識した上で行う3分の体操は、
意識していない場合と効果が全く異なる。
意識していなければ、毎日、何年継続しても、
ダイエットが成功したり、腰痛が治ったりはしない。

番組に出演していた「今でしょ!」の林修さんは、
“最初からこのようにきちんと習いたかった、
子供の頃から何度も繰り返してきた運動は、
無駄だったということですね。”
というような、コメントをしていた。

・・・・・・・・
八卦掌は太極拳との共通点が少なくない。
八卦掌という名前を知らない方には、
“親戚のようなものです”と簡単に回答することもある。

中国武術を知らない人との会話で、
太極拳の話になると、
“太極拳というのは、
日本のラジオ体操のようなものなんでしょ?”
と問われることが間々ある。
=武術としては役に立たない健康体操の一種でしょ、
ということを意味している。

・・・・・・・・・
ちょっと待った…
ラジオ体操ですら、
目的と効果を認識して、
身体をどう動かすのか意識して
行わなければ体操の意味をなさないのだ。

ラジオ体操が究極の運動なら、
太極拳は(究極の)10乗以上の運動だ。
得られる効果が格段に違う。
歴史が違う。
格が違うのだ。

ただ残念ながら、
太極拳愛好者や指導者の大部分は、
それを知らないで教えている。
何年やっても武術であろうはずがない。

一方、圧倒的な少数派ながら、
日本でもきちんとした中国武術を教えられている
方々がいらっしゃる。
私もその方々に加わるべく、
八卦掌の指導に精進している。

福岡八卦掌教室 指導員/大和晋(やまと しん)
HP http://baguazhang.web.fc2.com/

抽絲(カイコの糸繰り)

~練武の秘訣~



勢いよく紐を引っ張り、
紐が切れたり、
あるいは、勢い余って紐が弛んでしまったら、
糸の向こうにある物体に力が伝わらなくなる。

力を伝え続けるには、
適当な力加減やスピードを持続するような
運動を維持する調整能力が必要だ。

・・・・・・・・
「抽絲(カイコの糸繰り)のように」という言葉も、
戴氏心意拳の基本功の練習の際、
何度も霍老師が繰り返された注意点の1つだ。

過去記事で野口三千三氏の言葉を引用したように、
(※ http://dahejin.blog68.fc2.com/blog-entry-32.html )
『筋肉は動きのきっかけをつくり、動きの微調整する』
というのが、自分の指導する武術の動きの本質である。

身体をいったん一塊の物体としてその自然の運動を引き出し、
筋肉はその動きの微調整をする。
きちんとした練習過程を経なければ、
言うほど簡単に出来ることではないが、
無理なく、瞬時に、大きな力を引き出すことは、
この体の使い方により可能となる。

大きく、
なめらかに、
途切れることなく
全身を使う感覚を養う。

感覚がしっかり身に付き、
容易に運動を調整できるようになったら、
動作を小さく、鋭くまとめていくことが可能となる。

福岡八卦掌教室 指導員/大和晋(やまと しん)
HP http://baguazhang.web.fc2.com/

不要閃的動作!

~ 整と散 ~

戴氏心意拳の霍老師によく注意を受けた言葉だ。
“不要閃的動作!”

“閃”というのは、
雷のような一瞬の動きを表現するから、
それの何がいけないのか。

“散”
これは、八卦掌の信老師から、
何千回と注意指導された言葉。
「お前の動作は上下半身、
あるいは手足の動作が“散”」、
だから、ダメだという意味だ(涙)。

中国武術を習う時に、
動作状態を表現する言葉として、
「整」と「散」という反義語はよく用いられる。

「整」は日本でもある程度のニュアンスはつかめるが、
中国語では英語のwholeに近い意味として使用される。

例えば、貨物船に載せるコンテナのことを
中国語では“集装箱”というが、
この大きなコンテナを一人の荷主が借り切る荷を
“整箱貨”という。
※英語だとFCL(Full Container Load)
一方、荷量が少ないので1つのコンテナを複数の
荷主が共有して輸送する場合の荷を、
“散貨”という。
※英語ではLCL(Less than container load)

全部揃っているのが「整」、
バラバラな状態が「散」

・・・・・・・・
八卦掌にしても、戴氏心意拳にしても、
力を伝える際の動作は、それこそ、
電流のように触れた瞬間に伝わるその
電光石火のスピードをよしとしている。

霍老師に私が“不要閃的動作!”と
口を酸っぱく指導されたのは、
私の動作が「整」を絶つ「閃」だったからだ。

どんなに速く激しく動いているつもりでも、
それが「散」であれば効果がない。
また、繰り返しゆっくりとした動作を練る理由は、
「整」の感覚と動作を身につけるためにである。

なぜゆっくりと練習するのか、
その目的と理由をきちんと掌握していれば、
それだけの収穫を得ることが出来る。
指導者も習う側もその目的を理解していなければ、
何年繰り返し練習しても武術風体操で終わってしまう。

福岡八卦掌教室 指導員/大和晋(やまと しん)
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落ちずに舞う花

~八卦掌の歩法~

地上にいれば、
身体には常に地球の中心に向かって、
1Gのエネルギーが働く。

歩幅間隔で地面に体重計を何台か並べる。
その上を歩いてゆっくり移動する。
当然、どの体重計も数字は同じ重さを示す。
体重計を1つ通り過ぎるごとに、
体重が目減りする… なんていうことはない。
(減ったらいいのにね)

着地しそうで着地しない状態を
維持することが出来れば、
身体はいつも瞬時に1Gのエネルギーを
活用することができる。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆

高度20km、秒速7.8km
人工衛星は地球上空を高速でぶっ飛んでいる。
その運動を持続するのにどれだけのエネルギーが必要か?
必要ないんです。
衛星は地球の丸みにそって高速で落下し続けているから。

衛星


◆◆◆◆◆◆◆◆◆

八卦掌の技巧は歩法から生み出される。
始動したら立ち止まらない套路、
八卦掌の最大の特徴である。

古人はそれを次のように表現した。

渾元一氣走天涯,八卦真理是我家。
步步不離腳變化,站住即爲落地花。

一歩一歩絶えず変化し続ける。
立ち止まることは、生花が地面に落ちるようなものだ。

 八卦掌四十八法
四十七:忌站法訣 より

福岡八卦掌教室 指導員/大和晋(やまと しん)
HP http://baguazhang.web.fc2.com/
歩法の練習についてはこちらで説明→http://baguazhang.web.fc2.com/information/exercise.html
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