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進化の反面


初めてこのブログにお立ち寄り頂いた方には、前書からご覧いただくことをお勧めします。

恐竜のような身体の巨大化という進化をした動物にも、メリットもデメリットもあったでしょう。あらゆる生物はお互いに共存関係にあるため、進化(=変化)はその生物種内部への影響にとどまらず、同じ連鎖内のすべての生物へ色々な影響を及ぼす可能性があります。恐竜が身体の巨大化により大きな体力を獲得し、地上最強の動物になったとして、仮にその種の個体増加が食糧不足を招き食物連鎖バランスを壊して自滅してしまったのだとしたら、巨大化は、強い動物になるというメリットと、自滅の要因を招くデメリットの両面をはらんでいたことになります。何らかの変化というのは、いいことだけでなく、また悪いことだけでもなく、常に両面をもっていると考えるのは、一つの有意義な思考法だと言えます。変化というのは待った無しで起こることが多々ありますが、その変化をよく理解分析し、その変化の両面を把握してはじめて、メリットの有効利用と同時にデメリットの回避を考えることができるからです。

これまでの記事でヒトの進化について何度か触れてきましたが、敢えてその危険性についても考察しておきたいと思います。ヒトの進化は、これまでの生物史の中でも画期的なものでした。それまでの生物の進化は、自然環境のなかで自分の体をこれまでの生物にはない独特な変化を持つことで、生態系内での新たな場所を獲得し、生物の個体数を増やすことを意味していましたが、ヒトに至っては、道具を用いて自然環境をヒトの生活に合うように変化させることで、目まぐるしく生態系を変動させながら、爆発的に個体数を増やしてきました。進化の種類が画期的に違います。

ヒト以外の生物→ 身体形状を変化→ 違う自然環境に適応
ヒト   → 道具の創作   → 自然環境をヒトの生活に合うように変化させる

どうして、ヒトにはそういうことが可能だったのかというと、これまでの説明に戻るのですが、つまり、意識が現在という地面を離陸することで、俯瞰的に時間軸を眺めることができるようになったからだと言えます。ヒトに至って、ようやく過去→現在→未来という時間軸を認識できるようになり、かつ大脳で吸収した情報をこの時間軸を基に整理することに成功したのです。このことのメリットに関しては紙面を割くには多すぎます。ヒトの発明とその恩恵は、全てを記載するだけで膨大な量に上るでしょう。

一方、そのデメリットに関して考える機会は少ないのではないでしょうか。まずは、身体的なデメリットといわれていることについて取り上げます。四足の動物は天敵に襲われた時にできるだけ致命的な負傷を避けるため、内臓や動脈が歩行姿勢における内側、或いは下側になるような体の作りになっています。ヒトは、二本足で立ち上がったため、襲われると危険な臓器部分をさらけ出して歩く姿勢となりました。そして、サルとヒトの平均的な運動能力を比較した場合、明らかにヒトはサルのような敏捷性を持ち合わせていません。つまり、危機的状況下でそれを回避できる運動能力は二足歩行により低下したといえます。また、現代人はかなりの割合で腰痛を抱えていますが、これも二足歩行による、腰への負担が原因となっています。このほか、大脳の拡大にともない頭蓋が大きくなりましたが、これにより出産の際の産道通過が難しくなったとも言われています。本来出産前に、胎内でもっと成長すべきところ、産道を通過できる大きさで生まれるため、出産後の育児に多くの時間がかかるようになったという学者もいるようです。

ここまで物理的な側面から話を進めていましたが、もう少し別の角度から話を続けたいと思います。脳の進化の例えとして、パソコンの話を少ししておきます。新しい画期的なソフトが発売されたとします。そのソフトを使うと、過去や未来のシュミレーションが可能となります。但し、そのソフトをインストールするためには、桁違いの容量を持つハードと新しいOSが必要です。そのソフトを使うためには新しいパソコンを購入する以外に方法がありません。一方、そのソフトの使用を考えずに、現状こなさなければいけない仕事だけの機能であれば、現行のパソコンで十分に対応可能です。但し、このPC内に蓄積してきた情報は、新しいOS下では使えないデータであることが分かりました。そこで、古いパソコンはデータ保管用として、必要なときだけ立ち上げることにしました。ちなみに、自分の部屋で使用できる電力量は限られているため、二台同時に立ち上げることはできない状況です。つまり旧パソコンを立ち上げている時は、新しいパソコンが使えず、新しいパソコンが起動中の時は、古いパソコンを立ち上げられません。(私はパソコンに余り詳しくないので、おかしな点があるかもしれませんが、大筋では理解してもらえることを期待します)

ヒトの脳でも似たようなことが起こったと考えられます。現行のPCとOSが、進化前の脳。これでも、動物として、最低限安全に生きていくための脳及び全身の統制システムを一通り揃えています。新規購入PCと新OSは、サルがヒトに進化する過程で発達した脳部位。これで新しいソフトを操作します。PCの動力源である電気は、脳の活動に不可欠な酸素や糖分を指します。問題は、現状では両方の脳部位を同時に使用できないことにあり、電源の主導権をどちらか一方が替わりばんこに握ることになります。そして、ここが重要なところですが、新しい脳部位だけでは、動物として生きるためのインフラがきちんと働かない。つまり、身体全体が健康を保つための調整機能、疲労回復機能、反射的な危険回避運動機能、無意識化で集積した大量の情報整理機能は、旧OSでないと働かないわけです。そこで、旧PCとOS(つまり、進化前の脳部位)は、新しいPCとOSが休んでいる時(=進化の過程で発達した部位の脳が寝ている時やボーっとしている時)に、本領を発揮してメキメキと働きます。

ヒトの進化を改めてこのようにとらえると、進化のリスクがよく見えてきます。新しいソフトを入手するのと引換えに、電源の主導権を二つに分割してしまいました。それに、古いPCには、天敵から身を守るために敏捷に動くためのシステムデータと、全身を健康に保つためのシステムデータが残されたままです。万が一、新しいソフトが不良品だったなら、ヒトの歴史は即座に終わっていたでしょう。

ところで、ふたを開けてみたら、このソフトは非常に役に立つことが分かりました。リスクを冒す価値が十二分にあったといえます。この40万年のヒトの歴史は、そのまま、この非常に複雑なソフトの使い方の学習期間であったともいえます。そして、経験値の絶え間ない増加と社会の拡大に伴う情報交換の加速化により、こと近現代では情報が急速に集約され、ソフト活用の最も効率的な使用手段(科学)が密接に経済的な利益とつながるようになりました。科学とお金でしか生きることの価値が測られない社会に生きる個人は、当然のことながら、このソフトをうまく使いこなし、また、そのために新しいPCとOSが稼働している時間を増やそうとします。また、過去と未来のシュミレーションができるソフトでは、変動値の項目を増やし、より遠い未来を推測することが不可能ではありませんが、変動値項目を増やせば、当然解答をはじき出すまでに、大きな電力と時間を要します。そうやって、新しい変動値情報を次々に入力していって、いつ出るのか分らない答えを待っている間、ずっと電源が切れないわけです。このようになると、ヒトはヒトである前に、動物として生きる基礎的な機能に支障をきたします。長くなりましたが、これがヒトの進化による最大のデメリットだと考えられます。

1 前書き
2 はじめに
【分類】 意識
【概要】 基本モチーフの説明
3 凧と凧糸 意識の操作と運動 
【分類】 意識
【概要】 企みが悩みになる意識の性質
4 光のしぼり 意識の性質
【分類】 意識
【概要】 二つの意識のメリットとデメリット
5 天才とは
【概要】 天才の性質を説明し、かつ、身体操法は天才でない人が学ぶための方法と説明
6 人間の進化の本当の意味
【分類】 進化
【概要】 企てたヒト 立ち止まって、動くのを止めて考えることを選んだ
7 身体操法で目標とする動作
【分類】 動作
【概要】 意識しなければいけないのに、意識すると難しくなるという矛盾
8 身体操法における動作要領
【分類】 動作
【概要】 具体的な動作要領
9 今の時代における身体操法の意義
【分類】 文化
【概要】 意識と行動を密着させる感覚を取り戻す手段としての身体操法
10 情報の整理
【分類】文化 
【概要】 普及しにくかった理由、時代を客観的に理解する
11 手作業の意味
【分類】 進化
【概要】 進化の流れから手作業の意味を解く
12 進化の反面
【分類】 進化
【概要】 ヒトの進化のデメリット
13 どうして健康になるのか
【分類】 健康
【概要】 身体操法と健康
14 究極のパズル
【分類】 パラダイム変換
【概要】 難しくて面白いパズルを例えにした説明
15 身体操法学習上の禁止事項
【分類】 練習容量
【概要】 具体的な練習方法に関して
16 AとBの性質の理解
【分類】 意識
【概要】  Bの性質の理解と活用法
17 師弟関係とは 身体操法の普遍性
【分類】 文化
【概要】 様々な分野での活用の可能性
18 パラダイム変換に関して
【分類】 パラダイム変換
【概要】 身体操法を通じて柔軟なパラダイム変換能力を身につける
19 姿勢と健康
【分類】 健康
【概要】 姿勢と健康



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