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呼吸 ~その2~

燃焼活動

中学生の時に理科の実験で
ガスバーナーの使い方を習った。
小学生の時に使っていたアルコールランプと違い、
ガスと空気の量を調節して最適な炎を作る。

それまでは、赤く、大きく、ごうごうと音を立てて
燃える火が強いという概念しかなかったので、
ひょっとすると透けて見えないくらいに、
透き通って青く、形の良い炎が最も高熱であるというを
知り強く印象に残った。

・・・・・・・・・
97年~99年にかけて、
まだ語学留学で北京にいた頃。
(八卦掌の)練習時間前に着いた自分は、
老師を待たずに先に練習を開始していた。
(※老師は約束の時間に決して遅れない方だったが、
自分が時間よりも早く到着したときは、
ひとりで出来る練習を先に始めているようにと、
何度もおっしゃっていた。
老師を待って、きちんと礼をして、
順番をたがえることなく練習を進める… 
という形式にこだわらず、
時間を無駄にせず、さっさと練習しとけ、
ということなのだ。)

さて、その日の気温は35度前後だったと思う。
快晴だった。
老師が到着されての第一声は、
「大和や…
こんな暑いのに、日向で練習しなさんな…」だった。

「ちゃんと飲み物は持ってきたか?
いいか、大量の汗が身体から蒸発すると、
血液の粘度が高くなる。そうすると、心臓への負担が大きい。
我々が練習で得たいのは“それ”じゃないんだ、分かるか?」

分かるのか、分からないのか、よく分からなかったが(涙)
老師の話はいつも理路整然としていて、
その時も、大きな説得力のある雰囲気だったので、
自分はただ大きくうなずいた。

「それとな、喉が渇いたからって、
練習中にがぶ飲みしてはダメだ…
急激に血液が薄くなると、運動量を維持するために、
心臓は余計に働かなければいけなくなる。
だから、水分は我慢せず、少しずつ補給した方がいい。」

・・・・・・・・・

本川氏という生物学者が発表した論文が世間を賑わした。
「ネズミもゾウも心臓は15億回打って停まる」
そのいくらか複雑な公式には修正を訴える学者もいるようだが、
大枠のところで、画期的な概念が創造されたところが巣晴らしい。

ゾウはネズミよりも圧倒的に長寿だから、
ネズミの心臓はゾウよりも18倍早く鼓動しているということになる。
また、逆説的にとらえれば、日頃心拍数が低ければ長生きできると
考えることもできる。

(※参考: ゾウの時間 ネズミの時間
http://www.athome-academy.jp/archive/biology/0000000104_all.html )

犬も猫も、最近のペットはかなりの長寿だが、
捕食、防衛、縄張り争いのケンカなどのストレスが減り、
家族に大切に育てられて、心臓への負担が少ないことも、
長寿の大きな要因のひとつかもしれない。

・・・・・・・・
人は、「おんぎゃぁ!」と生まれ落ちて肺呼吸を始めてから死ぬまで、
基本的に呼吸を止めることがない。
そういう意味で、生きるということは一度着火した炎に似ている。
呼吸や心拍が乱れるのは良くないが、
心拍数を減らすために呼吸を止めたら死んでしまう。
その時々の環境において、滞ることなく、
かつ、過不足無い呼吸が理想ということになろうか。

戦闘状態において、スタミナのある人の方が
勝機が高いのは言うまでもない。
だから、スタミナをつけるために
負荷をかけた運動をするのは当然重要なことだ。

一方、八卦掌の特徴のひとつは変化である。
相手と正面からぶつからず、出来る限り
ちから対ちからに陥らないように戦局を自ら変化させる。

スタミナをつけるのが目的ならば、相応の練習があり、
絶えず自在に変化できるような身体を作るのが目的であれば、
それ相応の練習がある。
その練習は、呼気と意識が乱れると修得しにくいモノの場合もある。

同じ時間を練習に費やすのでも、
何を目的とした練習なのかが異なれば練習法も異なる。
「分かっているか?」という、あの日の老師の問いには、
そういう含みがあったのだろう。
何年経っても、時折その言葉を思い出し、
少しずつ理解を深めている。

福岡八卦掌教室 指導員/大和晋(やまと しん)
HP http://baguazhang.web.fc2.com/
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