スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

呼吸 ~その3~

痛みへの反応

以前のブログで、呼吸が止まると
力が身体の中にこもり
外へ放出されないと書いたが、
→「呼吸 ~その1~
それだけでなく、呼吸が止まると、
痛みも体内に閉じ込められてしまう。

・・・・・・・・

自分は7歳の時から空手をしていたので、
この点経験は豊富だった。
伝統空手は当時「寸止め空手」と称されていたが、
練習では当たるように攻撃するのは当然。
突きや蹴りでみぞおちの辺りに衝撃を受けると、
激痛が走り呼吸が止まる。
文字通り、地面をのた打ち回る。
のた打ち回るのだが、
全身はくの字より更に丸く収縮する。

そのままだと簡単には呼吸は元に戻らず大変苦しいが、
きちんと救助法がある。
打たれた人を仰向けにし、
腰帯もしくは袴の腰紐を真上に引っ張り上げ、
背が反るように腰を浮かせる状態をしばらく維持する。
すると、身体を収縮することがかなわず、
呼吸が通り、痛みがスッと引いていく。

この救助法は経験上見よう見まねで覚えたもので、
どうして、そうすると治るのか考えたことがなかった。

そして、腹部に攻撃を受けてこのざまに陥るのは、
日頃腹筋を鍛えていないから(練習不足)とされ、
恥ずかしいことと考えられていた。
それ以上に、この理論を活用して、
相当な打撃を受けても自力回復する方法は習わなかったし、
自分でも研究しなかった。

・・・・・・・・


動画は、ロシアの格闘技“システマ”
その独特の打撃法“ストライク”を集めたもの。
ストライクも空手の突きやボクシングのパンチと
様子が大きく異なり、その理論もかなり面白いが、
それについて次の機会に譲るとして、
打たれる側に注目したい。

システマでは、打たれた場合の自力回復法として、
動画のような呼吸法を教授する。
理由は上に書いた通りで、
痛みに反応して筋肉が収縮すると、
体が瞬時に受けた衝撃を体内に閉じ込めてしまうので、
そうならないように呼吸を継続して体を柔らかく保ち、
衝撃を外に逃がすのだ。

(納得のいかない人は、
自分で自分のみぞを叩いて試してみてください「笑」
胸を反らし気味に力を抜いて呼吸を続けると、
痛みはなくなりますよ。
こんなこと一人でやっていると、ちょい、危ない人ですが…)

・・・・・・・・

打たれて身体が収縮するのは意図ではなく反射だ。
自然反射が回復へのベストな方法ではないというのは、
どうしたことだろう。
(その解はまだ未熟な私には分かっていません。)

なんにしても、
打たれても平気な強靭な腹筋を作っておくということが、
必ずしも正解ではないことを知り当時そうとう驚いた。

そして、その体の反応はみぞおち以外でも大変役立った。
極真空手の大先輩と稽古をさせて頂くときに、
ミット持ちをさせてもらった。
ミット持ちは結構危険で、素人ではとても受けられない。
そして、その大先輩の回し蹴りは半端なかった…

中段と上段で左右合計でもたかだか60本くらいだったかと思う。
その日はなんとか笑顔で持ちこたえたが、
その後2日ほど腕の筋肉と関節がボロボロに痛く、
次の練習はパスせざるを得ないなぁ、と諦めていた。

自分から練習を申し込んだのに、
2回目から脱落というのは格好悪く、
言うに言い出せず(情けない…)、
二回目の練習のミット受けの時、
とっさに力を抜いてみた。
そしたら、ちゃんと受けられた。
だけでなく、腕も痛くないし、
体全体もびくともしなかった。
むしろ心地よいくらいであった。

しなる鞭(ムチ)の途中に結び目を1つ作ったとする、
すると、振ったムチのしなりは、結び目で停止して、
力はそこに集約され留まってしまう。
身体にも同じことが起こることを体感した瞬間だった。

強力なキックを抑えようと、
腕の筋肉が力むから、そこに衝撃が留まるのだ。
うまく力を抜くと、衝撃は全身を瞬間に通り抜け、
足の裏から地面へ、そして、地面の抗力も瞬時に
身体を通り抜けて蹴りを放った相手に跳ね返ることが感じられた。

これはまた、長年中国武術を学んできて初めて体得した
立ち方の重要性だった。

なぜ立ったまま動かない練習(站椿;たんとう・立禅)が
重要な基礎練習なのか。

力を抜くことを単に“脱力”すればいいとは、
説明できない。

松而不懈,紧而不僵。
八卦掌の信老師から幾度も指導された言葉だ。
“リラックスしているがダラっとせず、
ある程度の緊張感を保っているが硬くこわばらない。”
日本語に訳すとすれば、こんなところだろうか。

何だか矛盾していて科学的でないと思われた方、
こちらをご覧ください
→ 「武術におけるアウフヘーベン」
矛盾は科学的に解決されます。

そして、武術だけでなく、
推拿(すいな)という、
生活習慣疾患をも治療可能な
医療按摩の秘訣も同じ点に活かされています。


福岡八卦掌教室 指導員/大和晋(やまと しん)
HP http://baguazhang.web.fc2.com/
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。